守り継がれた伝統のお干菓子「吉野葛・横矢芳泉堂」
 

日本書紀には[国栖人]が、万葉集には[国栖ら]という言葉が出てくる個所があります。国栖らは国栖人のことを指します。
古くには奈良県吉野の吉野川上流の住民をクズと呼んでおり、今でもそこにはクズの地名が残っています。
国栖人というのは大和国家以前の山地に住んでいた人々に与えられた呼び方であったようです。
主に岩穴に住んでいた人達であって、この[国栖人]というのは非稲作民で、独特な生活様式を身に付けたいわゆる[山人]の象徴的な呼び名であったと考えられています。
国栖の名は京の都の人々にも良く知られており、9月9日の重陽の節句に吉野の国栖人が古風の歌舞を奏したといわれております。
国栖人はつる草の根から澱粉をとり、里に出て売ることがあったので、いつしかその粉に国栖の名が付けられたのではないか、またクズという植物名もそこからきているのではないかと考えられています。
植物名の[クズ]は漢字で書けば[葛]で、これは後になってクズの中国名[葛藤]の葛の字があてられたものです。

 
 
 
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